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    <title>六等星のたまり場</title>
    <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com</link>
    <description>六等星のたまり場・小説更新情報</description>
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    <copyright>Copyright ©2026 藤田一.</copyright>
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      <title>5話：隠したいもの - 鱗の女王</title>
      <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com/author/page/695/section/15166</link>
      <pubDate>Mon, 30 Jan 2023 20:22:00 +0900</pubDate>
      <description>病に冒された父を守るため、竜の国の王になった少女の物語。
幼く、無知な少女の周りには優しい顔をした大人たち。
信頼できるのは一体誰？　 陰謀渦巻くハイファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[「おいおい、大丈夫かよ？」

　ミルファルクの問いに、マリスタニは小さく首を振って答えた。マリスタニの肩まで伸びた真っ直ぐな黒髪がゆらゆらと揺れる。

「……イレーネは？」

　顔にかかった前髪を鬱陶しそうに指で横に流しながら、マリスタニはミルファルクの腕の中に収まっているイレーネに目をやった。
　不安そうなマリスタニの灰混じりの青い目と目が合い、イレーネは慌てて伯父の胸に顔をうずめた。

「……私よりも父さんを診てあげて」

　マリスタニと顔を合わせないままイレーネが言うと、すかさず重苦しいため息が聞こえてくる。

「見たところ怪我はない。薬もよく効いているし、しばらく目を覚まさないよ」

「そう。……よかった」

　じんわりと瞳に涙を浮かべ、イレーネはほっと息をついた。
　父が無事だとわかって気が抜けたからか、殴られた左頬の鈍痛が強く主張し始める。突然強くなった痛みに反応するようにイレ...]]></content:encoded>
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    <item>
      <title>4話：魔法使いと伯父 - 鱗の女王</title>
      <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com/author/page/695/section/15165</link>
      <pubDate>Mon, 30 Jan 2023 20:21:00 +0900</pubDate>
      <description>病に冒された父を守るため、竜の国の王になった少女の物語。
幼く、無知な少女の周りには優しい顔をした大人たち。
信頼できるのは一体誰？　 陰謀渦巻くハイファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　ウィゼルは縦長に割れた瞳孔を、ギョロギョロと動かしてイレーネの姿を捕捉すると、獣の咆哮のような奇声をあげた。突然の雄叫びにイレーネは竦んでしまった。

　イレーネが見せた一瞬の隙をウィゼルは見逃さなかった。ウィゼルは硬い岩の床を蹴って、イノシシのようにイレーネへ突進してくる。

　イレーネは必死に眠り薬の煙をウィゼルの口や鼻に運ぼうと、大気に漂う魔力に意識を集中させる。しかしイレーネの未熟な魔法では、眠り薬の煙がウィゼルの動きに全く追いつかない。

　足元でくすぶる薬の煙を踏み超えて、ウィゼルはイレーネに突っ込んでくる。
　イレーネの動揺に呼応するように、操っていた魔法薬の煙が、通路中に霧散していく。

(だめだった……どうしよう)

　少女の小さな頭は、再び恐怖と自身の無力さを責める感情でいっぱいになる。

　イレーネを捉えるウィゼルの濁ったハシバミ色の目に、イレーネを温かく見守ってい...]]></content:encoded>
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    <item>
      <title>3話：竜の娘の決意 - 鱗の女王</title>
      <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com/author/page/695/section/15164</link>
      <pubDate>Mon, 30 Jan 2023 20:19:00 +0900</pubDate>
      <description>病に冒された父を守るため、竜の国の王になった少女の物語。
幼く、無知な少女の周りには優しい顔をした大人たち。
信頼できるのは一体誰？　 陰謀渦巻くハイファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　瓶が割れる直前に兵士たちは、ウィゼルから手を離して飛び退いた。

　兵士たちが離れたのを確認し、イレーネは床から立ち昇る深緑の煙に意識を集中させた。

　ここからが正念場だ。
　煙が風に流されることなく、ウィゼルの無精髭に覆われた口へ向かうように念じながら、手のひらをゆっくりと上に動かす。

　薬はイレーネ一人でも作れるようになったが、問題はそこから先だった。

　魔法で煙を操り、離れた場所から父に薬を嗅がせるのは、イレーネの世話役であるマリスタニの仕事だ。
　過保護な魔法の師は『危険だし、王の娘であるきみがやるようなことではない』と言って、イレーネに手伝わせてくれなかった。

　マリスタニの目を盗んで、煙を操る練習をしてはいるが、雨や風に流されたりして、思うように操ることができずにいた。


(自分から仕掛けたからには、できないなんて言えない)


　イレーネは煙に意識を集中させる

...]]></content:encoded>
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      <title>1話：先祖返りの王 - 鱗の女王</title>
      <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com/author/page/695/section/15162</link>
      <pubDate>Mon, 30 Jan 2023 20:12:00 +0900</pubDate>
      <description>病に冒された父を守るため、竜の国の王になった少女の物語。
幼く、無知な少女の周りには優しい顔をした大人たち。
信頼できるのは一体誰？　 陰謀渦巻くハイファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　指の隙間から鼻血が滴る。
　焼けるように熱い頬から、顔全体へ痛みが伝わっていく。追い打ちをかけるように、頭の中が揺れる。

　体勢を崩さないように踏ん張るが、だんだん自分が真っ直ぐ立っているのか、斜めになっているのかわからなくなる。耐えられず、イレーネは崩れるようにその場に膝をついた。

　頭の揺れと連動して、石の床がぐにゃりと歪む。先祖の竜と同じ縦長の瞳孔をした少女の目は、灰色の床を捉えるのが精一杯だった。

(目を閉じて、大きく息を吸って……)

　痺れる頭の中で、世話係から教えられた言葉を繰り返す。言葉通り目を閉じ、呼吸を整えると、目眩がやわらいでいく気がした。
　ふらつきが落ち着くと、イレーネは目を開け、拳を持ち上げた。震えて思うように動かない自身の膝に向かって何度も打ち下ろす。

(……はやく立って、距離を取らないと)

　何度も叩き続けてようやく足の硬直がとけてきた。立ち上が...]]></content:encoded>
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      <title>2話：勝算 - 鱗の女王</title>
      <link>https://fujita84me.kashi-hondana.com/author/page/695/section/15163</link>
      <pubDate>Mon, 30 Jan 2023 20:12:00 +0900</pubDate>
      <description>病に冒された父を守るため、竜の国の王になった少女の物語。
幼く、無知な少女の周りには優しい顔をした大人たち。
信頼できるのは一体誰？　 陰謀渦巻くハイファンタジー。</description>
      <content:encoded><![CDATA[　殴られた時に口内が切れていたのだろう。叫んだ瞬間、針が突き刺さったように鋭く痛んだ。傷口に唾液が滲みるたびに痛みは増し、口を動かすのが怖くなる。

　痛みと恐怖が、イレーネの体の感覚を鈍くしていく。痛みはじんじんとした痺れに代わり、何かを叫んでいる兵士たちの声は、水中の声のようにくぐもって聞こえてくる。

　本能は今すぐここから逃げ出せと警鐘を鳴らしているのに、理性が逃げれば父はどうなるとイレーネを脅す。

「……私はへいきです」

　まとまらない思考の中イレーネの口から出た言葉は、情けないほど大きく裏返っていた。すぐ目の前の兵士たちにちゃんと意味が通ったか怪しい。

「……おねがいです、父をはなしてあげて」

　イレーネが絞り出した声を聞いた兵士たちは、困惑した様子で互いの顔を見合わせた。

　当然の反応だ。
　兵士たちが取り押さえている男――ウィゼルは、人を見れば見境なく襲い掛かる、...]]></content:encoded>
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